「成年後見」は、本人の意思を尊重するための支援制度です。

成年後見は本人の意思を尊重する支援制度遺言は死後に効力を持つものですから、遺族のための制度ともいえます。 しかし、高齢化が進んだ現代、「死」の前におとずれる「老い」のための仕組みが必要不可欠となってきています。

この仕組みが「成年後見制度」というものです。「成年後見制度」は、老後も生活の質を保持し、本人の意向を尊重するための支援制度といえます。

また、このような支援制度は、高齢者ばかりでなく、知的障がい者や精神障がい者についても同じように必要なのはいうまでもありません。
「成年後見制度」は、何らかの理由で判断能力が低下した人を、単に介護・介助するだけではなく、豊かな生活をおくる支援をするための仕組みなのです。


成年後見制度の概要

成年後見の概要成年後見制度は、判断能力が不十分な人(認知症・知的障がい・精神障がい等)に代わって法律行為を行う事務です。

その事務の範囲は、本人の財産を保全したり活用したりする「財産管理」と、本人の日常生活での契約などの法律行為を支援する「身上監護」の二つに大きく分けられます。

そして、制度の内容も、本人の判断能力の状況に応じて、事後的な措置の「法定後見制度」と、事前的な措置の「任意後見制度」の二つに大きく分けられます


成年後見制度の理念

成年後見の理念成年後見制度では、福祉の充実の観点から、3つの基本理念が重要視されます。

「自己決定の尊重」
「残存能力の活用」
「ノーマライゼーション」
成年後見制度は、これらの理念で、本人を十分に保護しつつ、利用しやすいという制度を目指しているのです。
※下図参照

イメージ図 成年後見の理念

法定後見制度とは?

法定後見制度法定後見制度は、すでに判断能力が低下している場合にとる手段で、「事後的な措置」といえます。

支援内容や手段は、判断能力低下の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3類型で一定の定型化がされており、家庭裁判所が決定します。
援助者も家庭裁判所が選任し、その後は家庭裁判所で決定された支援内容が実施されます。

「介護サービスの契約をしたいが、本人はすでに判断能力が不十分であるため契約ができない」という場合などに、この制度を利用します。


任意後見制度とは?

任意後見制度任意後見制度は、判断能力に問題がない時点で、支援内容や援助者を自分自身で決定しておく手段で、「事後的な措置」といえます。

判断能力のあるうちに、あらかじめ自分自身で選任した援助者と契約を結んでおき、判断能力が低下した時点でその効力が生じるという仕組み
効力が生じた後は、家庭裁判所により監督人が選任されますので、適正な管理も期待できます。

「判断能力がある人が自分のライフプランをあらかじめ任意後見人に託しておく」という、積極的に個人の自己決定を尊重するものですので、自分らしく生きたい人にはピッタリの制度といえます。
「キレイな施設に入りたい」や「在宅で介護を受けたい」などといった希望は、任意後見人が実現してくれるのです。

イメージ図 成年後見制度

任意代理契約とは?

任意代理契約任意後見制度はあらかじめ準備しておく制度ですが、その効力が発生するのは、法定後見制度と同じく「判断能力が低下したとき」です。

判断能力が低下していなくても、「早い段階から安全のために財産管理を任せたい」場合や「身体的な衰えなどのために、お金の出し入れなどの日常の財産管理が負担になっている」場合もあるでしょう。
そのようなときに利用するのが任意代理契約です。

具体的には、「財産管理契約」や「見守り契約」といった任意代理契約を「任意後見契約」と同時に結んでおく方法が有効的です。
まずは、通常の任意代理契約で財産管理などをおこない、判断能力が低下した段階で任意後見に移行するという形式で、「移行型の任意後見」とも呼ばれています。

いまは元気だけど、「介護サービスの契約や手続きに不安がある」や「役所からの手紙の内容が難しい」「悪徳商法に騙されないか心配」という場合などに、この制度を利用します。
このような日常の手続や法務をサポートする契約は、欧米ではホームロイヤー契約と呼ばれたりします。

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